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EXTERIOR
外構や新築住宅のシンボルツリーとして、ここ数年人気が高い常緑樹「シマトネリコ」。おしゃれなカフェのような雰囲気を演出できる樹形や、涼しげな葉の印象から、
外構工事の打ち合わせでも「シマトネリコを植えたい」というご要望をよく耳にします。
しかし、実際に外構のプロとして現場を数多く見てきた経験から言うと、**シマトネリコは“安易に植えてはいけない木”**だと感じています。今回はその理由を詳しくお伝えします。
まずは、なぜこれほど人気があるのかを整理してみましょう。
常緑で一年中葉がある・冬でも葉を落とさず、緑を楽しめる点は外構デザインにおいて大きな魅力です。
涼しげで柔らかな印象の葉・細かく分かれた小葉が風に揺れ、ナチュラルで軽やかな雰囲気を演出します。
どんな外観にも合う万能なデザイン性・モダン住宅にもナチュラル住宅にも合わせやすく、シンボルツリーとして人気が高まりました。
確かに、見た目や常緑という点だけを見れば理想的な植栽に思えます。ですが——実際に植えた後、数年経つと「想像と違った」という声が非常に多いのも、この木の特徴です。
シマトネリコを「植えてはいけない」と言われる一番の理由が、成長の早さです。
植えた当初は高さ2メートル程度でも、わずか数年で3〜5メートルに達することも珍しくありません。放っておくと10メートルを超える大木になる場合もあり、住宅の敷地には到底収まりきらなくなってしまいます。
枝葉がどんどん伸び、日当たりや風通しを悪くしてしまうだけでなく、根も力強く広がるため、駐車場やブロック塀などを押し上げてしまうこともあります。
「こんなに大きくなるとは思わなかった」これは、シマトネリコを植えたご家庭で最もよく聞く言葉です。
シマトネリコは成長が早いだけでなく、虫を呼びやすい樹木でもあります。
特に夏場にはカブトムシやクワガタが樹液を求めて集まってきます。子どもたちにとっては嬉しい光景かもしれませんが、実際は樹皮を噛まれて傷だらけになり、そこから病害が入って弱ってしまうことも多々あります。
また、アブラムシやハダニなどの小さな害虫も付きやすく、ベタつきや黒ずみの原因にもなります。玄関まわりや駐車場など、日常的に人が通る場所に植えると、車や外壁に汚れが付着してしまうこともあるため注意が必要です。
「常緑樹だから落ち葉が少なくて楽」と思われがちですが、シマトネリコは実際には細かい葉が年中パラパラと落ちるため、掃除が意外と大変です。
さらに、成長が早いために年に数回の剪定が必要になります。放っておくと、上へ上へと枝を伸ばし、見た目が乱れて日差しを遮るようになります。
剪定を怠ると電線や屋根に触れるほど大きくなり、最終的には業者による高木伐採が必要になるケースも多いです。この伐採費用は数万円〜十万円を超えることもあり、植えた時よりも抜く方が大変なのが実情です。
私たちローカルガーデンでも、ここ数年で「シマトネリコを抜いてほしい」というご依頼が増えています。
理由は主に以下の通りです。
・想像以上に大きくなって家を覆ってしまった
・落ち葉や虫で手入れが大変
・根が伸びてブロックや土間にひびが入った
・玄関前や駐車場に日が入らなくなった
こうしたトラブルは、植えた当初には誰も予想していません。見た目や人気だけで選ぶと、数年後に後悔することになってしまうのです。
とはいえ、シマトネリコが全く悪い木というわけではありません。広い敷地で、しっかりと管理できる環境であれば、美しい樹形を楽しむことも十分可能です。
ポイントは次の通りです。
・建物や塀から十分に距離を取る(最低でも2〜3m)
・定期的な剪定を行い、形を整える
・根の張りを考えて、駐車場などの構造物の近くには植えない
そして使い方としては、私自身の考えとして——**「大きくなるのを見越して、目隠しの木として使う」**のが一番適していると思います。
道路や隣家との境界に少し距離を置いて植えることで、自然なグリーンのカーテンとなり、プライバシーを守る効果も期待できます。
シマトネリコは見た目の美しさや常緑の魅力から、つい安易に選ばれてしまう木ですが、その実態は「大きく育つ・虫が寄る・手入れが大変」という、住宅地の小さな庭にはあまり向かない特性を持っています。
もし植えるなら、将来的な成長を見越した計画とメンテナンスの覚悟が必要です。
「おしゃれだから」「人気だから」という理由だけで選ぶと、数年後に抜根の費用と手間で後悔してしまうことになります。
植栽は家と同じように“暮らしの一部”として考えることが大切です。お庭づくりを進める際には、デザインだけでなく、その後の暮らしやすさを見据えた樹種選びを心がけましょう。