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まま・ここっと2023秋号

10年、20年先の暮らしを想像する庭づくり

家は子育て期から老後まで、長期の住みやすさを考えて設計します。一方、庭はどうでしょう?多くの場合、「家と庭は別物」と考え、庭は後回しになりがちです。土地の約半分以上は庭なのに、もったいないですね。では、庭の長期プランとはどういうことでしょうか。
例えば、庭の雑草対策。草むしりが大変だからと庭スペース全体をコンクリートや砂利敷きにしたいという人がいます。でも、将来、家庭菜園や、ガーデニングが趣味になるかもしれません。そんなとき、全面コンクリートでは希望が叶わなくなりますよね。

次にカーポート。「車は置ければよいのでカーポートは不要」という人も多くいます。ただ、学校への送迎が必要なエリアに住んでいる場合、カーポートは重要です。なぜなら、送迎は雨天や荒天時にするからです。中高生の26インチの自転車を車に乗せ、雨ざらしの中、荷下ろしをするのは非常に困難です。公共交通機関の少ない群馬では、よくある話です。

このように、「今」だけの状況で庭を考えるのではなく、10年、20年先の暮らしを考えたビジョンを持てると良いですね。この先、「庭をどう使いたいのか」、「どんな暮らしをしたいのか」。具体的なものでなくても、イメージを想定しておくと豊かな暮らしが見えてきます。

最後に、元大手住宅メーカーに勤めていた経験からアドバイス。「庭から始める家づくり」という考え方もあります。例えば、旗竿地(道路に接している出入口部分が細長く続き、その奥に敷地のある土地)などの場合、駐車やUターンスペースをあまり考慮せずに家が建っていることがよくあります。これは家が建った後ではどうにもなりません。車社会の群馬で毎日の出し入れがストレスになるのだけは避けたいですよね。家の設計に先行して、車の出入りなど簡単な庭のプランを考えることが失敗しない家づくりにつながると思います。

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